会長挨拶
本学会は人名反応に基づくユニークな名称の学会です。メイラード反応を食品学的視点から見ると、本反応は食品の嗜好性や品質を考える上で欠かせないばかりか、安全性、加工特性、機能性にも関わっています。一方、生体的な視点から見ると本反応は非酵素的な自発的反応で長期に見た場合生体に様々な影響を与えていると考えられ、その結果として糖尿病合併症や酸化ストレス、老化などと深い関連を持っています。
他の動物と比べた時、メイラード反応が起こっている加熱・貯蔵した食品を食べ、生体内メイラード反応が影響するほど長寿なのは人類だけです。人類が考え続けなければならない奥深い反応と言えます。
谷口直之先生、宮澤陽夫先生、鈴木敬一郎先生の歴代会長や名誉会員の皆様、そして現幹事や会員の方々が築いて来られた本学会の活動を踏まえ、さらに充実発展できますよう様々な分野の皆様方のご支援、積極的なご参加をお願い申し上げます。